5/1
例えばそれは小さく広がる花畑で
例えばそれは他人の尊厳にも似て
踏みにじらないこと
誰かの物語に触れずにいること
4/26
言い訳は見つめ直すもの
言い分は貫き通すもの
澄んだ泥にまみれ あなたが吐いた戯れ言は
言い訳でも言い分でもない 名前も付かぬ不良品
2/12
自分の立つ場所が確かだと何故言えるのですか
自分の存在が揺るぎないものだと何故言えるのですか
君が吹かした空言は ただ
世界を汚さず消えていくだけ
1/22
すれ違う瞬間だけを予感する
それだけで暗く閉ざされていた
視界が 心が 世界が
手の届かない彼方まで広がるのだと
1/22
刹那を駆け抜ける悦びは
現実から目を背ける麻酔であって
何も得ない 何も見つからない
誰も手を差しのべない
10/9
空を走る君たちの
未来がつまった背中を見るたびに
僕は自分のふがいなさを知った
そしてその背中に手が届かないことも
10/5
この胸を貫く刃でも
身を焦がす地獄の業火でも
狂った私の目を覚まさせてくれる物ならば
何だっていい
9/20
泣けばいいのに
泣ければいいのに
この虚無感が
悲しみに変わればいいのに
9/10
終わりを恐れてた
だから始まりもずっと避けてきた
そのせいなのだろうか
始まりでもある終わりの存在に気づかなかったのは
9/2
めぐりめぐる僕の心は
頼りなく揺れてて行く先知らず
それでも恐れを感じないのは
帰れる場所があるからなのか
8/28
月を喰らい 星を舐め
分かち合う夜空に 嫉妬して
全てを夜に委ね 叫び狂う
それでも変わらない朝は やってくる
8/24
真っ白なキャンバスを手に入れて 何を描き始めよう
とりあえず黒く塗りつぶそうか
その白さに 眩しくて耐えられそうにないから
何かを想い 描き上げるのは それからでも遅くない